IZ*ONEから未来が見える epi.1
「時が来たわ 長く待った時を終えて」
キム・チェウォンが力強く踏み出し、IZ*ONEが久しぶりにステージに戻って来た。2020年2月17日、これこそ本当のカムバックだった。
「引きこもった心を起こし 大きく背筋を伸ばした私は A h」
アン・ユジンが伸びやかに祝祭の幕開けを予感させる。
この曲はこの3ヶ月間の空白期間さえも想定して用意されていたのだろうか?あまりにもタイムリーで意味深な歌詞に鳥肌が立ち、FIESTAという祝祭は冒頭から一気に頂点に達した。
何よりも12人のメンバーに笑顔が戻ったことが一番嬉しかった。一時はもう二度と彼女たちに笑顔が戻らないのではないか?と心配になったくらいだから。
この一年間、K-POPの世界では実に様々な出来事が去来し、今も正に激動の真っ只中にいるのだが、個人的に最大のISSUEは間違いなくIZ*ONEだったと言える。IZ*ONEを軸にK-POPやカルチャーを眺め、社会的な出来事も考えることで、韓国そして日本を巡る現在地も浮き彫りになる。なので、今更感はあるものの、IZ*ONEを語りながら現在の社会状況も考えてみたいと思う。
まずは第一回目、何はさておき、タイトル曲「 FIESTA」のカムバックステージでこの曲の素晴らしさに酔いしれたい。この映像はカムバック当日2月17日のステージから。
[최초공개] 아이즈원(IZ*ONE) - FIESTA | COMEBACK IZ*ONE BLOOM*IZ
唄い出しがチェウォンからという最高のスタート、力強く大地を蹴るように一歩を踏み出すパフォーマンスがカムバックを象徴的に表現している。もうこの瞬間、この歌詞、チェウォンというだけでみんな号泣したと思う。そういう自分も泣いた。
続いてユジンが伸びやかに立ち上がるシーンも、伸び盛りのユジンがこの間に実に逞しく魅力的にパワーアップして帰ってきたことが十分にわかる。今までユジンがなんとなく目立っていない印象だったから余計に今回のユジンの活躍が嬉しい。
そしてセンターウォニョンをみんなが取り囲むようにして盛り上げる。
と思ったらカンちゃんが出てきてウインクしながら「私の時間が来たわ」とワンフレーズで秒殺する。さすがだ。
続いてミンジュが、Violetaで自信をつけた女神ミンジュが登場して曲もダンスも一気に大きく華やかに動き出す。
リズミカルな曲に合わせて跳ねるように宮脇咲良が登場する。今回のパフォーマンスを通じて咲良の表情や目線がめちゃくちゃ凝っていて凄みがある。上の動画のアイキャッチ画像の宮脇咲良の視線も国宝級。
続いて本多仁美、矢吹奈子と特徴的な高い声が続く。咲良、ひとみ、奈子と、日本人メンバーが3人続いて登場する。
イェナ、やっぱりイェナだよ。イェナを中心に花が咲くようなパフォーマンスからの「〜終わらない これがクライマックス」と自信たっぷりの表情で前へ進む。まだまだこれから前へ進むIZ*ONEの意気込みを象徴するような自信に満ちた表情だ。これだよ、これがイェナだよ。produce48のデビュー評価曲「好きになっちゃうじゃない」の時にセンターで自信たっぷりに登場した時の圧巻の表情。あのイェナが帰ってきた。
もうこの時点で舞い上がってしまい、誰が登場したかなんて冷静に考えていられない状況下で、ユリの歌唱力はいつもずば抜けて凄い。後半にあの得意の高音で「oh yeah〜」というパートもちゃんと出て来る。
サビへ突入すると全員による一糸乱れぬフォーメーションダンスが始まるのだが、そうだよ忘れていた、ウンビ姐さんとチェヨン!ちゃんとセンターでキレッキレのダンスを見せてくれる。この曲のサビの部分のダンスはかなり高速で難しいと思う。これを12人全員でビシッと合わせる姿に、produce48の時からは想像もできない程格段にうまくなり、成長したことが感じられる。もう練習生ではない、世界レベルのプロなんだよ。
FIESTA ではチェウォンがいい場面で活躍するパートが多い。ダンスも歌唱力も抜群に高いチェウォンのポテンシャルを存分に活かしているのがいい。唄い出し、サビ、ダンスパートと、それぞれ美味しいパートが割り当てられているが、圧巻なのは最後のほうの全員が跪きチェウォンひとりが立って「私を照らして、今の私を」と高い声で熱唱するシーン。これはもう後半までずっと鳥肌立ちっぱなし。
produceを巡るこの間の不幸な出来事は、IZ*ONEをはじめK-POP界に大きな暗い影を落とした。この期間を乗り越えて到達したこの日のカムバックステージは、もういろんな想いが入り乱れて、冷静に鑑賞する余裕なんてなかった。この日のパフォーマンスを見れば、あのペ・ユンジョン先生も認めてくれるよね?
FIESTAの公式MVも貼っておく。
韓国歌謡と言われていた時代から、K-POPの現代に至るまで、約36年間韓国歌謡曲を聴いてきた自分にとって、時代を越えた最高のベスト10曲を選ぶとしたら、この曲「FIESTA」は間違いなくベスト10の最上位に位置する曲となった。